どろんこみち

ノーフューチャ〜

バンド内で配偶者も恋人もいないのあたしだけじゃん

それはともかく、昨年の10月に不思議な出来事があったのだ。

 

平日のとある日、ふと思い立ってひとり東京へ出かけた。グリーン車に乗って、お酒を飲みながら。明るいうちから飲むアルコールってどうして特別感があるんだろう。気持ちが良い。

 

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目的地は上野。横尾忠則の展示を観るのが目的。その前に軽く昼飲みがしたくてアメ横周辺を彷徨ってみた。

 

いい感じのお寿司屋さんがあったので入ってみた。

 

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サイコー!!!

美術館に行く前にもかかわらず、日本酒でいい感じに。カウンターで隣になったおじさまと会話したり。

 

小一時間ほど寿司を楽しんでから、少しだけフワフワしながら美術館へ。東京国立博物館は初めてだった。

 

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横尾忠則は一番好きな芸術家だけど、作品を生で観るのはこれが初。作品に記された日付から、ほぼ毎日のように絵を描いていたことがわかった。

 

横尾忠則の作品を堪能し、グッズも購入できて大満足。

 

美術館の周りは公園のような広場がある。平日にも関わらず人が多い。さすが都会だなあ〜なんて思いつつ、天気も心地よいからベンチに腰掛けてひと休みしようと、視界に入ってきたベンチに近づく。

 

すると前方からやってきたおじいさんとほとんど同時に同じベンチに座ってしまった。

 

…ちょっと恥ずかしい。

 

まもなくおじいさんは話しかけてきた。

 

「今日は人が少ないねぇ。」

 

「これでも少ないんですね、群馬から来たので都会は人が多いなぁって感じました。」

 

「そうなの。群馬からねぇ。僕はこの近くの大学にいるから毎日ここを通るんだよ。毎日見てるの。」

 

「そうなんですね。今日私は横尾忠則の展示を見に来ました。」

 

「あらそう。…お姉さん、いま人生の分岐点にいるね。」

 

「えっ」

 

確かに、この時の私はものすごく仕事のこととかこれからのことで迷いまくってたので、ある意味分岐点にいるのは間違いではなかった。

 

「お姉さんはとてもベースの高い人だよ。負けず嫌いでしょ。僕はわかるよ。」

 

ベース?!て思ったけど楽器は関係なかった。

 

「少し喋ったらわかるよ。ベースが高い人だから、きっと成功する。」

 

そんなことを言い残しておじいさんは去って行った。

 

何だったのだろう。

 

謎の悪魔かなにかと契約を交わしたような変な感覚だった。

 

またあの場所に行ったらおじいさんと会えるのだろうか。